2010年11月27日土曜日

アーケード: arcade


先日、東京から仕事でこられたランドスケープデザイナーの方が、夕食にお誘いくださって、いろいろランドスケープ談義を楽しませて頂きました。

地方で活動する僕にとっては、こうしたお誘いがあることは、とってもありがたいです。うん、とても恵まれています。

さて、食事後、商店街のアーケードをまわって移動していたのですが、このアーケードを指して、とてもおもしろい話を聞きました。

アーケードを設計する建築士の知り合いから聞いたという話なのですが、アーケードの設計というのは、他の建築物や構造物とはまったく考え方が違うとのことでした。

アーケードの柱をさして、左右の柱の位置が違うことや、アーケードの屋根と建物の境目の構造物の話など、これまで考えたことも、気づいたこともなかったアーケード設計の留意点や着目点を教えてくれました。

そうかぁ。。
普段気にもとめない、こうした構造物にも特有の世界があって、特有の法律や設計構造などがあるんだと、改めて興味の目を開いてくれました。
こういう新しいデザインの着目点を丁寧でわかりやすく説明することって、やっぱりとても大切だし、楽しいことだと思います。


それから、「アーケード」と聞くと、僕は、むかーし聞きに行った「都市景観シンポジウム」のパネルディスカッションを思い出します。

そのパネルディスカッションで、ある大学先生が、
「アーケードなんてかっこわるい。世界で日本だけだ。ぜんぶとっぱらってしまえ!」
と仰せられ、その取り巻き?が前列で拍手喝采をしていました。

ものすごく引いたなぁ。。
幸い、その後のこうした関連の講演会、シンポジウムで見ることはなくなって安心したのですが、その強烈な印象だけは僕の頭にこびりついてしまった。・・まったくメモリーの無駄遣いなうえ、消去不能なんて。。


かっこいいアーケードは、ヨーロッパや日本各地にもあると思うんですが、個人的に英国のある小さな町で出会った、小さなアーケードがとても印象に残っています。

それは、日本のように通りは大きくなく、曲がり角が多くて迷いそうになるぐらいなのですが、その囲まれた感じがとても心地よかったです。天井も低くて、街頭も統一してありました。

あー、その通りの写真、とっておけばよかった。。
今は記憶にしかのこってません。

2 件のコメント:

  1. ミヤガワさんの日記を読むと英国にもアーケードがあるとのことですが、もし仮に、どこぞの先生が仰るように「日本にしかないもの」ならば、それだけで価値が生まれるはずです。
    雨天時の買い物客の利便性だけでなく、空間的に閉じた環境をつくるためには、オープンエアの商店街とは違うコミュニティが「ソコ」にあるはずですよね。
    私は以前設計職をしていましたが、構造は苦手で、どちらかというとそのようなアーケードを通した「つながり」に大変興味を覚えます。
    普段何気なく見てきたアーケードですが、また新しい視点をいただけました。
    ありがとうございます。

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  2. 中心市街地が生き残る手段としては、こういうアーケード的な空間が必要なんだと思いますね。大型ショッピングセンターでは、アーケードの町並みを理想的な形で表現して成功していると思っています。僕にもよくわかりませんが、構造的・法的な整備がうまくいくと、もっと中心市街地が様変わりできるのではないかと思っています。

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